声かけ・しつけ

子どもが謝らない理由と対応|「ごめんなさい」を言わせる前にできること

子どもが謝らないと、反省していないように見えて焦ります。恥ずかしい・納得していない・言葉にできない・まだ落ち着いていないの4つの見分け方、言わせる前にできる「直す・手伝う」、友達とのトラブル後の親の動き方を年齢別にまとめました。

公開日
最終更新日
対象
3〜12歳
崩れた砂のトンネルを見つめるそうたとたいちを見守るまどか

「ほら、ごめんなさいは?」。何度うながしても、子どもが謝らない。黙ったまま、目をそらす。ときには「だって」と言い返す。

相手の子が泣いていて、相手の親もこちらを見ている。そんな場面では、「反省していないのでは」「しつけができていないと思われる」と焦ってしまいます。でも、子どもが謝らないのは、悪いと思っていないからとは限りません。恥ずかしくて言えない、納得していない、何と言えばいいか分からない、まだ気持ちが落ち着いていない。理由によって、親の一手は変わります。

では、言葉が出ないとき、子どもは何から始めればいいのでしょうか。

この記事では、謝らない理由の見分け方と、「ごめんなさい」を言わせる前に親がすることを紹介します。言葉より先にできる「直す・手伝う」や、友達とのトラブル後に親が動く順番も、年齢別の例と一緒に見ていきます。

目指すのは「ごめんなさい」を言わせることではなく、こわれた関係を子どもが自分の手で戻す経験です。

子どもが謝らないのは、反省していないからとは限らない

子どもが謝らない理由は、大きく4つに分けて考えると見分けやすくなります。恥ずかしい、納得していない、言葉にできない、まだ落ち着いていない、の4つです。この分け方は、研究や公的な資料をもとに、家庭で使いやすいようにこの記事でまとめたものです。

1. 恥ずかしい・認めるのが怖い

人前で「自分が悪かった」と認めるのは、大人でも勇気がいります。みんなが見ている、相手の親もいる。そんな場面では、言葉より先に体が固まる子もいます。目をそらす、うつむく、その場から離れようとするのは、悪いと分かっているからこそのこともあります。

2. 納得していない(わざとじゃない・相手も悪い)

「わざとじゃないもん」「先にやったのはあっち」。子どもなりの言い分があると、謝ることは「全部自分が悪い」と認めることに感じられます。

3〜10歳の子をもつ親483人を調べた研究では、親は、わざとでもわざとでなくても、謝ることが大切だと考える傾向がありました。研究者はこれを、意図より結果を重く見る傾向と呼んでいます。この記事では、わざとではないのに強く謝罪を求められると、子どもは「分かってもらえない」と感じやすい、と考えます。

3. 言葉にできない

悪いとは思っていても、「ごめんなさい」という言葉が口から出ない子もいます。言葉より、行動のほうが出しやすい子もいます。

4. まだ気持ちが落ち着いていない

泣いている、怒っている、興奮している。気持ちが高ぶったままでは、相手のことを考える余裕がまだありません。この状態で謝罪を求めても、言い合いが長くなることがあります。癇癪の後の振り返りは、癇癪が落ち着いた後の振り返りと修復で順番を詳しく扱っています。

謝らない子の顔・体・言葉から、理由を読みとる

4つのどれに近いかは、子どもの顔、体、言葉の3か所を見ると、手がかりがつかめます。

謝らない子の様子から、理由を見分ける
見えた様子近い理由まず試すこと
うつむく、顔が赤い、その場を離れたがる恥ずかしい・認めるのが怖い人の少ない場所へ移り、小さな声で話す
「わざとじゃない」「あっちが先」と言う納得していない言い分を先に一言で受け止めてから、相手の様子を伝える
相手を気にして見ているが、黙っている言葉にできない直す・手伝うなど、言葉以外の償いを選んでもらう
泣いている、怒っている、体に力が入っているまだ落ち着いていない相手と距離をとり、落ち着くまで待つ

どれか迷ったらまず「落ち着いているか」から確かめます。気持ちが高ぶっているうちは、ほかの3つを見分けることもむずかしいからです。

何歳から謝れる?「ごめんなさい」の意味がわかってくる順番

「ごめんなさい」の意味は、一度に分かるのではなく、少しずつ育っていくと考えられています。研究から見える順番を、年齢の目安と一緒にまとめました。

研究から見える「謝る」の育ち方の目安
年齢の目安研究で見られたこと家庭での当てはめ
3歳ごろ自分が原因で相手を困らせたとき、元に戻そうとする行動が増えた言葉より「直す」ことから始める
4歳ごろ言葉で謝った人と謝らなかった人の、ちがいを理解していた「ごめんね」の言葉の役目を短く伝える
5歳ごろ言葉がなくても、申し訳なさそうな態度の意味を理解していた言葉が出なくても、態度や行動を認める
4〜9歳謝ると、相手の気持ちが少し楽になることを理解していた「謝ると、相手がどうなるか」を一緒に考える

2〜3歳の子を調べた研究では、3歳の子は、自分が原因で相手を困らせたときに、いちばん多く元に戻そうとしました。2歳の子は、誰が原因かに関係なく、相手が困ることが起きれば直そうとしていました。4〜5歳の子に動画を見せた研究では、4歳の子は言葉で謝ったかどうかで相手への見方を変え、5歳の子は言葉がなくても申し訳なさそうな態度を読み取っていました。

4〜9歳の子にお話を聞かせた研究では、悪いことをした子が謝る話だと、子どもたちは、された子の気持ちが少し良くなると考えました。この結果は、「ごめん」という言葉を外した謝り方でも同じでした。

謝らない子に「ごめんなさい」を言わせる前に、親がする3つのこと

子どもが謝らないとき、言わせる前に親ができることがあります。順番は、相手、子ども、事実です。

  1. 相手の様子を先に見る:けががないか、泣いていないか。相手の子に「痛かったね。大丈夫?」と親が先に声をかける
  2. わが子が落ち着くのを待つ:泣いている、怒っているなら、少し離れて落ち着くまで待つ
  3. 事実を一つだけ言う:「トンネルがくずれたね」「たいちくん、悲しそうだね」と、見えたことだけを短く伝える

親が先に相手へ声をかけるのは、子どもの代わりに謝るためではありません。こども家庭庁の資料は、子どもは大人の姿からいろいろなことを学ぶとし、あいさつも大人が日ごろから意識することで、子どもが自然に覚えていきやすいとしています。

親が「ごめんね」「大丈夫?」と言う姿は、そのまま子どものお手本になります。

謝る言葉より先に「直す・手伝う」|償いと言葉を分ける

そうたがたいちにスコップを渡し、砂のトンネルを作り直す

言葉が出ないときは、「ごめんなさい」の前に、直す・手伝うといった償い(つぐない)を選ぶ道があります。

謝ることには、言葉で伝えることと、こわしたものを直したり、相手を助けたりすることの二つがふくまれます。言葉が苦手な子でも、行動なら出せることがあります。4歳と5歳の「許す気持ち」を調べた別の研究(各20人)では、5歳の子は、言葉で謝らなくても申し訳なさそうな態度を見せた相手を、より許していました。4歳の子は、言葉で謝った相手をより許していました。

起きたことと、子どもにできる償いの例
起きたこと子どもにできる償いの例
作ったものをこわした一緒に作り直す、材料を集める
飲み物をこぼしたタオルを持ってきてふく
ぶつかった、叩いた冷やすタオルを持ってくる、距離をとって「もうしない」と伝える
嫌なことを言った後で手紙や絵を渡す、「さっきの言葉はなし」と言う
順番を抜かした順番をゆずる、後ろに並び直す

償いを選ぶときは、「どうする?」と子どもに聞き、選べなければ二つ出します。「作り直すのと、スコップを貸すの、どっちにする?」。このとき、罰のような償いにしないことが大切です。償いは、相手との関係を戻すためのものです。

今日から一つだけ。子どもが謝らなかったら、「ごめんなさいは?」の代わりに「どうする?」と聞いてみてください。

謝らない子に「謝りなさい」の代わりにかける言葉

人前で謝らないわが子を見ると、つい強い言葉が出ます。言い換えの例を知っておくと、その場で選びやすくなります。

謝らないときの言葉の言い換え
つい言ってしまう言葉こじれやすい理由言い換えの例
「ごめんなさいは?」(何度も)言わされる言葉になり、気持ちがついてこない「たいちくん、悲しそうだね。どうする?」
「謝るまで遊ばせない」謝る目的が「罰から逃げるため」になる「落ち着いたら、どうするか一緒に考えよう」
「なんで謝れないの」答えにくい質問で、さらに口が閉じる「わざとじゃなかったんだね。でも、トンネルはくずれちゃった」
「心がこもってない。もう一回」言えたことまで否定されたように感じる「言えたね。次は、作り直すのを手伝おうか」

「わざとじゃなかったんだね」と受け止めるのは、子どもの言い分を全部認めることではありません。わざとかどうかと、相手が困っていることは、別々に伝えられます。

友達とのトラブルで子どもが謝らないとき、親が動く順番

友達とのトラブルでは、わが子が謝るのを待つ間にも、相手の子は困っています。親が先に動く順番を決めておくと、焦らずにすみます。

  1. けがと安全を確かめる:相手の子と、わが子の両方
  2. 親から相手に声をかける:「痛かったね。ごめんね」と、親として先に伝える
  3. わが子と相手の距離をとる:落ち着くまで、少し離れる
  4. わが子の言い分は後で聞く:「何があったか、あとで教えて」と予約する
  5. 償いを一緒に選ぶ:作り直す、手紙を書くなど、その日のうちにできる一つ
  6. 言葉は後からでもよい:帰り道や次に会ったときに伝えられれば十分

相手の親には、言い訳より先に「うちの子がこわしてしまいました。すみません」と、起きたことを短く伝えます。わが子の言い分があっても、その場で説明を重ねるのは後回しにします。

相手が謝罪を受け取ってくれないとき

けがをさせてしまい、謝っても受け取ってもらえないこともあります。そんなときは、無理に会いに行ったり、許してもらおうと重ねたりせず、相手の気持ちを待ちます。園や学校で起きたことなら、先生に間に入ってもらうのも一つの方法です。

相手の子や親が謝らないとき

反対に、わが子がされた側で、相手が謝らないこともあります。相手の子を直接問い詰めるより、まずわが子の気持ちを受け止めます。くり返すときや、けががあるときは、園や学校の先生を通して話します。

謝らないそうたに、まどかが「直す」から始めた公園の夕方

夕方の公園で、年長のそうたは砂場の横でジャンプしていました。着地した足が、たいちの作ったトンネルをくずしてしまいました。たいちは、泣きそうな顔で砂を見ています。まどかが「そうた、ごめんなさいは?」と言うと、そうたは「わざとじゃないもん」と背中を向けました。

まどかはたいちに「トンネル、くずれちゃったね。ごめんね」と声をかけてから、そうたの横にしゃがみました。「わざとじゃなかったんだね。でも、トンネルはくずれちゃった。どうする?」

そうたはスコップをたいちに渡し、二人でトンネルを作り直しました。帰る前、そうたは砂をはらいながら、小さな声で「こわして、ごめん」と言いました。

この場面で変わったのは、まどかが言葉を言わせることより、そうたが自分でできる償いを先に選べるようにしたことです。言葉は、作り直した後に、そうたのほうから出てきました。いつもこうなるとは限りませんが、言葉が出なかった日でも、作り直せたことは立派な一歩です。

幼児と小学生で変える「謝る」の教え方

年齢によって、「謝る」で教えたいことの中心が変わります。

年齢別の「謝る」の教え方の目安
年齢の目安教えたいことの中心声かけの例
3〜5歳直す・手伝うことと、「ごめんね」の言葉の役目「ぶつかったね。冷たいタオル、持ってこようか」
6〜8歳わざとかどうかと、相手が困っていることを分けて考える「わざとじゃないのは分かった。相手は今どんな気持ちかな」
9〜12歳自分で謝り方と時間を決める「今日がいい?明日学校で言う?手紙にする?」

小学生になると、人前で謝るのがより恥ずかしくなる子もいます。高学年では特に、謝る方法とタイミングを自分で選べる余地を残します。2歳ごろの子には、まだ言葉の謝罪を求めるより、親が「ごめんね」を見せることから始めます。

謝らないことが続くときの相談先|発達障害かより場面を見る

子どもが謝らないという行動だけで、発達障害かどうかは分かりません。こども家庭庁の資料も、子どもによって成長・発達の様子には差があるとしています。相手の気持ちを想像する力や、言葉にする力の育ち方も、一人ひとりちがいます。

ただ、次のようなときは、家庭だけで抱えずに相談します。

子どもが謝らないことで相談する目安

すぐに相談・受診

  • 相手に大きなけがをさせた、または叩く・蹴るがくり返され、安全が保てない
  • 親が子どもを叩いてしまいそう、または謝らせるために手が出てしまう

早めに相談

  • 友達とのトラブルがくり返され、園や学校から何度も連絡がある
  • 相手が泣いていても気づいていないように見えることが多く、友達関係に困りごとが続く
  • 謝らないことに加えて、言葉の遅れや、こだわりの強さなど、ほかに気になることがある
  • いじめの加害や被害が心配

記録しながら相談を検討

  • どんな場面で、誰に対して謝れなかったか
  • 顔・体・言葉の様子(恥ずかしい、納得していない、言葉にできない、落ち着いていない)
  • 言葉の代わりにできた償いがあったか

急ぐけがは119番です。親が限界のときは児童相談所虐待対応ダイヤル189に相談できます。急がない相談は、園や学校の先生、スクールカウンセラー、かかりつけの小児科、市区町村の子育て相談窓口、発達障害者支援センターにできます。

発達障害者支援センターは、発達障害のある子や家族の相談に応じる専門機関で、都道府県や指定都市ごとに置かれています。相談するときは、「謝らない」という一言より、どんな場面で、どんな様子だったかを伝えると、話が進みやすくなります。

叱りすぎて、親のほうが謝りたいと思った日は、叱りすぎた後の謝り方も読んでみてください。親が謝る姿も、子どもにとって大事なお手本になります。

子どもが謝らないときのよくある質問

謝らない子に、無理にでも「ごめんなさい」を言わせたほうがいいですか?

言わせることだけを目標にしないことをおすすめします。言わされた言葉は、気持ちがついてこないことがあります。まず相手の安全を確かめ、わが子が落ち着いてから、直す・手伝うなどできる償いを一緒に選びます。言葉は後からでも伝えられます。

何歳から謝れるようになりますか?

少しずつ育つものと考えられています。研究では、3歳ごろに自分が困らせた相手のために直そうとする行動が見られ、4歳ごろに言葉の謝罪の意味、5歳ごろに申し訳なさそうな態度の意味が分かってくる様子が示されています。年齢は目安です。

謝らないのは発達障害のサインですか?

謝らないという行動だけでは分かりません。恥ずかしい、納得していない、言葉にできない、まだ落ち着いていないなど、理由はいろいろあります。友達とのトラブルがくり返される、ほかにも気になることがあるときは、園や学校、かかりつけの小児科、発達障害者支援センターに相談できます。

「わざとじゃない」と言い張るときは、どう返せばいいですか?

まず「わざとじゃなかったんだね」と言い分を受け止めます。そのうえで「でも、トンネルはくずれちゃった」と起きたことを伝え、「どうする?」と償いを一緒に考えます。わざとかどうかと、相手が困っていることは別々に伝えられます。

小学生なのに、人前だと謝れません。

人前で認めるのは、大人でも勇気がいることです。人の少ない場所へ移る、手紙にする、次の日に伝えるなど、謝り方とタイミングを本人が選べるようにすると、言葉が出ることがあります。

参考資料・出典

  1. Child Development:The Early Emergence of Guilt-Motivated Prosocial Behavior

    公開・改訂: 2016年確認日: 2026年10月15日2歳62人・3歳64人の実験。3歳は自分が原因で相手を困らせたときに最も多く元に戻そうとし、2歳は誰が原因かに関係なく直そうとした
  2. Developmental Psychology:Young children's responses to guilt displays

    公開・改訂: 2011年確認日: 2026年10月15日4〜5歳に動画を見せた実験。5歳は言葉の謝罪がなくても申し訳なさそうな態度の意味を読み取り、4歳は言葉で謝ったかどうかで判断した
  3. Child Development:The Emergence of Forgiveness in Young Children

    公開・改訂: 2019年確認日: 2026年10月15日4歳・5歳各20人。5歳は言葉で謝らなくても申し訳なさそうな相手をより許し、4歳は言葉で謝った相手をより許した
  4. British Journal of Developmental Psychology:When the happy victimizer says sorry: children's understanding of apology and emotion

    公開・改訂: 2010年確認日: 2026年10月15日4〜9歳にお話を聞かせた研究。謝る話では、された側の気持ちが良くなると考え、「sorry」の語を外しても同じだった
  5. Journal of Family Studies:When and Why Parents Prompt Their Children to Apologize: The Roles of Transgression Type and Parenting Style

    公開・改訂: 2017年確認日: 2026年10月15日3〜10歳の子をもつ親483人。わざとでもわざとでなくても謝罪を大切と考え、意図より結果を重く見る傾向があった
  6. こども家庭庁(厚生労働省 体罰等によらない子育ての推進に関する検討会):体罰等によらない子育てのために~みんなで育児を支える社会に~

    公開・改訂: 2020年2月確認日: 2026年10月15日子どもは大人の姿から学び、あいさつも大人が日ごろから意識することで自然に覚えていきやすいこと、子どもによって成長・発達の状況に差があること
  7. 国立障害者リハビリテーションセンター 発達障害情報・支援センター:発達障害者支援センターとは

    確認日: 2026年10月15日発達障害児(者)と家族の相談に応じる専門機関で、都道府県・指定都市ごとに設置
  8. こども家庭庁:児童相談所虐待対応ダイヤル「189」について

    確認日: 2026年10月15日189は匿名でも通告・相談でき、通話料が無料であること
  9. 総務省消防庁:119番緊急通報

    確認日: 2026年10月15日119番通報は消防車・救急車が必要な場合に行う緊急通報という案内

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